二世帯同居のためのリノベーション
建て替えなくても、リノベーションで二世帯同居ができる?
建て替えが出来ない状況、条件でも二世帯化ができる
二世帯にしたい家が建築して間もなかったり、建て替えに必要な掘削や盛り土ができない、また法律(都市計画法)上建て替えができない、ご両親の納得が得られないなど、ご家庭により建て替えができない事情は様々あります。そんなご家庭もリフォームでの二世帯同居を実現します。
建て替えに比べて費用を抑えられる
リフォームよりも建て替えた方が安いという事を聞いたことものあるかもしれません。しかし、新築の場合は工事そのものが大がかりになりやすく、外構、造成工事も必要となる事が多いです。
経験上、建物の状態が良い、リフォーム済みの箇所は工事しなくても良いといった場合は、建て替えに比べて1,000万ほど費用を抑えられることが多くあります。
税金支払いが少なくなる
既存部分については、固定資産税、相続税は変わりません。
年々下がって低くなった建物の固定資産税は、リフォームをしても変更されません。
仮に、ご両親にリフォームをしてもらって、建物を相続すれば相続税対策にもなります。
建物の位置は大きく変更できない
元々家が建っている場所が基本となるので、あらたに駐車場・室内への採光の確保などが建て替えと比べると難しいです。
その場合は増築、減築で解決できることもあります。
自由な間取りにできない?
元々の家のつくりで自由な間取りにできないこともあります。特に2x4(ツーバイフォー)の場合は難しくなります。
他の木造、鉄骨造の場合は、構造に精通した建築会社に依頼する事で耐震性を保ち、向上させながら、実現したい間取りにする事も可能です。
将来、再び間取りを変更するのが難しい?
リフォームと同時に耐震補強を行うことで長持ちする住まいにすることができます。
しかし、居住性の高い住まいにするために構造を大きく変更している場合は、この次に間取りを大きく変更してリフォームすることは難しいです。
◆完全共有プラン …寝室などの個室以外、たとえば玄関・リビング・水回りなどを共有するプラン。
×プライバシーの確保が難しい。
◎それぞれの居室が確保できれば良いので、床面積が広くなくても大丈夫。また予算も抑えられるというメリットがある。
◆部分共有プラン …玄関、水回りを部分的に共有する。
▲共有する場所によりプライバシーの確保が難しく、トラブルやストレスの可能性がある。
○玄関、階段などの共有スペース、水まわりが1か所なので、リビングやダイニング、居室のスペースを確保しやすく、比較的費用を抑えることができる。また、世帯間のコミュニケーションを取りやすい。
▲共有箇所が少な過ぎると、同居のメリットがなくなる。同居後の暮らしをよくイメージして共有部分を計画をするとリフォームの生活がよりよくなる。
◆完全分離プラン …玄関、階段などの共有スペースや水回りを独立させる。
◎各世帯のプライバシーが確保できる。
×玄関、階段などの共有スペース、水回りがそれぞれに必要になるため、必要な床面積が多くなり、その分費用がかかる。
▲収納を十分に確保しないと、共有スペースがそれぞれの持ち物でいっぱいになってしまう。
・子世帯・親世帯の持ち物が共有空間に溢れないよう、十分な収納スペースを用意すること。
・息子夫婦と同居なら『お嫁さん』、娘夫婦と同居なら『お婿さん』のプライバシーを確保しておくこと。また、どの家事を誰が行うかの家事分担も考えておくこと。
・元々の住まいをそっくり生かす場合が多いが、将来の介護を想定したバリアフリー化を考えておくこと。
・寝室を考えるときは、方角や屋内の配置だけでなく生活動線を工夫して、プライバシーをしっかり確保すること。
・生活音や振動は親子間トラブルの原因となりやすいため、特に2階に水回りがある間取りでは防音をしっかり対策すること。
・一般的に1階に親世帯、2階に子世帯が良いとされるが、孫が小さい場合、生活音対策として、親世帯が2階に暮らすなど、そのご家庭に合わせた計画をすること。
リノベーション費用は、建築本体工事でざっと15~20万円/㎡と見積もると分かりやすいです。
60㎡なら900~1,200万円くらいです。
これは、枠組みだけを残して全てを取り替えるフルリノベーションの目安です。
よく、リノベーションは見えなかった傷んだ躯体が発見されてそれにより費用変更の可能性があると聞きますが、実際には傷んでいそうな躯体も変更の想定をしているので、前もってきちんとした現地調査・設計をしていれば工事途中の金額に大きく影響することはありません。
また、工事を行わなくても済む範囲があればその分拠出費用を抑えることにもなります。
ただ、建築本体費用に含まれない水道の引き込み・下水工事・エクステリア・外構工事などの費用は別途となります。
建物本体費用についてはリノベーション費用の予想はつけやすいですが、それ以外の金額がどれくらいかかるかを早めに把握することが全体の費用を知るのにとても大切です。。
30坪ほどの住まいで、間取りの変更があり、基礎工事が必要となると、リノベーション工事期間は約3~4ヶ月程度になります。
間取り変更がなく、基礎工事が必要のないリフォームに比べると工期は長めです。
ただし、中古物件を購入するなど各種助成制度を利用する場合は、受付開始、受付終了の期間が決まっています。
また、築20年を超えた木造住宅で住宅ローン減税を利用する際は、引渡しから半年以内に居住しなければなりません。
そのため、現在別に住んでいて、リフォーム後の同居を予定してる場合は、工事開始前に住民票を移しておきましょう。
実の親子の同居でも、世代が違えばライフスタイルも違います。極端ですが「他人同士が一緒に住む」くらいに考えて、計画することが必要でしょう。
また、親子同士といえ、お互いのプライバシーを尊重することは、二世帯同居の絶対条件となります。就寝・食事・お風呂などの時間、お客様が来たときの対応方法などは、ストレスの大きな要因となるので、事前に世代間でしっかりした決まりを作っておきましょう。
実際の同居開始後、世帯間に小さな不満や要望が出てきます。それを上手に伝えあって、こまめに解消することが同居成功の秘訣です。
実現が難しそうでも、「こんな希望がある」と聞いてもらうことに意味があります。妥協できない部分、譲ってもよい部分をすべて話し合いに入れ、プランづくりの優先順位を決めましょう。
夢をかたちにすることも大切ですが、同居によってストレスとなりそうなところをプランづくりではじめから入れないことが、更に重要です。
そのうえでリフォーム会社に調整してもらうのが、同居の計画を順調に運ぶコツです。
リフォーム会社のアドバイスで言い争いが収まったり、似たような事例を聞いて歩み寄った案に決着したりすることもよくあります。
娘様家族と同居するために、2階全面をリフォームしました。
玄関は1つで、水回りはすべて2階にあります。また、物干し場としてバルコニーを作りました。
部分共有プラン
共有・・・玄関
独立・・・水回りすべて
(第6回あいち木造住宅耐震改修事例コンペ 優秀賞)
息子様世代との同居にあわせて、1階部分は親世帯の生活スペースに、2階部分は増築して若夫婦世帯にリノベーションしました。
若夫婦の住む2階にはトイレ、洗面化粧台、洗濯機を新設。小屋裏空間を利用したロフトも新たに設置することで、収納スペースを十分にとりました。
部分共有プラン
共有・・・玄関、浴室、食堂
独立・・・便所、洗面化粧台、洗濯機、ミニキッチン
二世帯住宅へのフルリノベーション。お子様が生まれたのを機にご両親がお住まいの実家で同居するため、リフォームを計画されました。
お客様のご希望は下記の5つ。
2.上下階の住み分けになるので、音が気にならないようにしたい。
3.車を4台停めたい。
4.花火が良く見える場所なので、屋上バルコニーをつけたい。
5.人数が増えるので、それぞれの居住スペースを確保して、さらに耐震性、快適性(断熱)をあげたい
完全分離プラン
娘さま家族が母屋に来られて、本宅に繋がっていた『横屋』にご両親が移る二世帯化計画でした。
心おだやかに楽しく暮らせるお住まいを希望されていたため、水まわりを分けることでお互いストレスを感じないよう配慮しました。
敷地内の同居にあわせて『ミニキッチン』『トイレ』『お風呂』『洗面台』の水まわりを横屋に全て新設。
完全分離プラン …親世帯『離れ』、子世帯『母屋』住み分け 共有:食堂(夕食のみ) 独立:玄関、全ての水周り(ミニキッチン)